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入れ歯作りの現実

まず始めに皆さん方は「入れ歯を作る作業がどれだけ大変なものか全く理解していない」です。服や電化製品を作るレベルにしか考えていないと思います。
まともな入れ歯を作る作業工程には多大な時間、材料費、光熱費、人件費などがかかります。
入れ歯を一つ作る手間や時間で冠(被せ物)を最低20本は作ることができるはずです。

そして何より問題なのは入れ歯作りの保険点数が異常に低い事です。低賃金で体力的にきつく、実働時間も長い仕事である技工士の大変な犠牲の上に成り立っています。技工士はある意味命を削りながら仕事を行っています。しかしこのことを患者さん側も国も全く分かっていません。ですからあんな異常に低い保険点数が設定されているのです。これではまともな入れ歯ができるわけがありません。

歯科技工物の点数をなぜ2、3倍にアップできないのでしょうか。私は10倍にしてもよいとさえ思っています。そうでもしなければ歯科技工士の待遇改善はできず、離職する技工士は増え、就職する技工士が減るのです。このままいくとまともな歯科技工士は10年後には絶滅してしまうでしょう。その状況を国はAI(CAD/CAMシステム、3Dプリンタ等)に頼ろうとしていますが、こんなものにまともな咬み合わせの歯科技工物ができるはずがありません。すでに咬み合わせ崩壊のスピードは急速に進んでいる現状を日々目の当たりにしています。結果的に患者さんの顎や身体の歪みは大きくなり、色々な全身症状を引き起こすのです。

昨今では歯周病菌が様々な全身疾患を引き起こすことがわかってきていますが、この状況が進めばそんなものが比較にならないくらい恐ろしい事になります。国は国民の歯科受診率を上げるために「国民の歯科検診の義務化」を打ち出していますが、そんなことよりも実際に修復物を作る歯科技工士が絶滅したらどうするのか、こちらの方が大問題だと考えます。建築で言えば有能な大工がいなくなるということで、机上の仕事しかしていない人たちにはまったく理解できない話でしょう。

保険の入れ歯作りは恐ろしいほどの低点数(つまり低予算)のため、限界があります。当然高級な材料は使用できませんので、あくまでも「そこそこ、過大な要求をしないよう」お願い致します。当院も保険の入れ歯を作っていますが、一般的には行わないような工程を踏まえて作っているため、当然回数も多く期間も長くなり、材料費や人件費も高くなります。それら全てを当院の方がかぶっている、はっきり申しまして大赤字の仕事です。当院の犠牲の上に成り立っていることを是非ご理解ください。当院の保険の入れ歯患者さんには変な要求やクレームは決してしないことを約束していただき、そのような行為をされた時点で治療は直ちに中止します。当院で保険の入れ歯を作ってもらうということに感謝の気持ちを持ってください。それを持たない患者さんを私は治療しません。
※なお、歯茎や残っている歯の状態が悪い、咬み合わせの狂いが大きいなどの難症例ケースに関しましては保険治療自体をお断りしております。ご了承ください。

保険外入れ歯について

他医院で作った入れ歯はほとんど間違いなく咬み合わせが狂っており、しかもそれを長年使い続けていることによって顎の動きまでもが狂ってしまっています。
これを改善するため、顎と身体の歪みのない位置で咬み合わせを採り、当院独自開発の人工歯の並べ方を駆使した入れ歯を作りリハビリしていきます。これが当院の「浅野式治療用入れ歯」です。ただ単に咬み合わせを治すだけなく、身体の歪みも改善していきます。他医院の治療用入れ歯とは何から何まで全てが違います。

また、リハビリの一環として咀嚼指導(食事方法の指導)も行います。当院で考案した独自の咀嚼方法です。でたらめになんでもかんでも食べたことで天然の歯が抜けていったわけですから、同じ食べ方をして入れ歯が使えるはずがありません。正しい咀嚼方法を習得し、歯と入れ歯、身体をできるだけ長持ちさせます。

本当に良い入れ歯は作るには「良い材料・しっかりとした期間・他にはない超一流の技術」の3つが必要不可欠です。3つのうちどれか1つが欠けても良いものは決して出来ません。安くて粗悪な材料を使っては、いくら超一流の技術をもってしても良い入れ歯は出来ませんし、逆に技術がない歯科医師・歯科技工士が、どれだけ高級な材料を使っても良い入れ歯は出来ないのです。

以上の事を踏まえたうえで、どうかまともな感覚、価値観、本物を求めている方は当院で「浅野式治療用入れ歯」を作り、咬み合わせと身体のリハビリを行われてください。そしてリハビリが終わりましたら同じ咬み合わせでチタン金属床を作ってほしいと思います。当院のチタン金属床は異物感や発音障害は全くありませんし、使用していくと入れ歯の感覚が消えます。インプラント治療に比べてはるかに安全で低い費用で済みます。

「いくつもの病院で保険の安い入れ歯を何度も何度も作り直し、良い入れ歯を求め続けている」方へ。そんなものはあるわけがないし、そんな人生の一体何が面白いのでしょうか。

入れ歯作りについて

入れ歯作りは歯科治療において究極に困難な仕事です。非常に高い技術と優れた材料、しっかりとした期間が必要になります。以下に工程別で説明します。

① 印象(型採り)

患者個々人で全て違う粘膜の形を精密に採る、入れ歯作りのスタートラインであり、大きなウェイトを占める処置です。ほとんどのケースでしっかりと型を採れていないため、概形の小さな入れ歯が出来上がります。また、入れ歯の概形を決める設計の線引きが技工士任せになっているケースが大変多いです。

② 咬合採得(咬み合わせの位置の決定)

咬み合わせを採るのは非常に難しいです。なぜならば入れ歯の咬み合わせというものは、目に見えない三次元的な位置を再現しなければならないからです。
まず1回目はワックス(蝋)で大まかな咬み合わせを採ります。その位置関係を元に2回目は人工歯を並べ、今度は0.01mm単位で精密な咬み合わせを採り、その位置に再度人工歯を並べなおします。(当然3回目の咬み合わせを採り、人工歯を並べなおすこともよくあります。)
この新しい位置で咬み合わせを止める人工歯の並べ方、ここが一番大切なポイントになります。
世の中に多くある一般的な咬み合わせ理論の並べ方では咬み合わせは止まりません。これこそが一番の問題点です。

③ 臼歯部の人工歯の並べ方は当院でアレンジしたバッカライズド咬合様式

当院では、独自にアレンジしたバッカライズド咬合様式(もしくはリンガライズド咬合様式)で調整を行います。これは、下の歯の頭の部分を上の歯の中心部分に点で接触させるという極めてシンプルな咬合様式かつ、調整の効く唯一の方法です。一般的な入れ歯はフルバランスド咬合様式と呼ばれる「どちらに顎を動かしてもどこかの歯が適当に当たる」並べ方の為、歯科医師も技工士も適当な調整しかできません。

④ 重合(入れ歯の床の樹脂に熱を加えて硬化させる過程)

一般的に保険の入れ歯作りでは100℃で重合させるため、入れ歯の粘膜面も咬み合わせも大きく変形してしまいます。そこで当院の保険外入れ歯作りでは55℃で重合することができるバリオレジンという特殊な樹脂と、変形程度が非常に少ないパラジェット重合器という特殊な器械を使用します。現在考えうる最も変形の少ない重合法であると考えております。

⑤ 咬合器上で咬み合わせを調整

重合後、本来は咬合器上で咬み合わせを調整しなければなりませんが、時間と労力がかかる上にそもそもその作業の重要性が理解されていないことから一般的にはほとんど行われていないのが現状です。非常に大切な工程なので、当院では保険の入れ歯作りでもこの調整を必ず行っています。

まともに機能する入れ歯(すなわち人工臓器)を作ろうと思えば、多大な時間、材料費、光熱費、人件費がかかります。また、技工士たちの負担も大きく、昨今では技工士不足の問題も見受けられるようになりました。
AIによるデジタルシステムにより問題を解決しようとする論調がありますが、一人一人すべて違うミクロ単位の仕事(特に咬み合わせ)はAIよりも人の手の方が確実だと考えています。

入れ歯作成プロセスの比較

※表は左右にスクロールして確認することができます。

当院の保険外入れ歯の製作法 一般的な保険入れ歯の製作法
①精密印象(型取り) ①大まかな印象
個人トレーとティッシュコンディショナーによる連合印象をする。 ほとんどのケースで本来の概形よりも小さな概形となっている。要するに「小さな入れ歯ができる」ということ。
②咬み合わせの採得 ②咬み合わせの採得
「顎と身体」双方のバランスが取れる位置で咬み合わせを決める。 現在使用している入れ歯と同じ咬み合わせで採る。
③人工歯 ③人工歯
e-Ha クワトロ
咬み合わせ治療専用に使用される大変硬い人工歯を使用する。
保険用の柔らかい人工歯を使用。非常に摩耗が激しく、咬み合わせの狂いが生じるスピードが速い。
④床用レジン ④床用レジン
バリオレジンULTRA
最も変形が少なく、硬い樹脂で現在はこれが最高の樹脂。
ボイルレジンという焚き上げ用の樹脂を使用する。咬み合わせや粘膜面の変形が著しく大きい。
⑤重合器 ⑤重合器
パラジェット重合器
55~60℃の常温で重合するレジンで最も少ない変形で重合が可能。重合後の咬み合わせと粘膜面の変形が非常に少ない。
釜の中で沸騰させ100℃で重合(変形が非常に大きい。咬み合わせと粘膜面の変形が非常に大きい)
⑥重合後、咬合器上でリマウント調整 ⑥リマウント調整なし!
重合後のわずかな変形を咬合器上で再調整する。実はこの作業工程が最も大切なところである。 一番肝心な作業工程なのだが、ほとんどの医院、技工所で行われていない。残念ながらこれが世の中の一般的な入れ歯治療の現状である。
⑦研磨・完成 ⑦研磨・完成

インプラント治療の危険性について

インプラント治療は単に外科的な危険性だけではなく、咬み合わせに非常に大きな問題があります。将来的に根本的なメインテナンスが不可能だからです。口腔内のクリーニングをすることはもちろん大切ですが、それだけがメインテナンスでは決してありません。ミクロン単位での定期的な咬み合わせの調整とクリーニングを合わせて行うことが本当の意味でのメインテナンスなのです。ですから本当に咬み合わせが分かる歯科医師は絶対にインプラント治療はしません(そもそもインプラントの上部構造を作る技工士自体が咬み合わせの重要性を分かっていないのだから)。

当院には他医院でのインプラント治療後のトラブルで来院される患者さんも多くいらっしゃいますが、咬み合わせの回復に非常に苦労します。他医院でインプラント治療を受けられる前に、ぜひ当院で「本物の入れ歯治療」を受けられてください。
① 治療用入れ歯
② 最終チタン床入れ歯
以上の順番で作成・治療すれば、最終的には発音障害、異物感もなくなります。また、取り外し可能なのでその後のメインテナンスをしっかりと行うことができます。

オーダーメイド入れ歯作製の流れ

仮の入れ歯

まず、仮の入れ歯を作製致します。これによりさしあたっての咬み合わせを確保し、残っている歯の治療をしていきます。虫歯の治療や咬み合わせの悪い冠のやりかえ、どうしても残すことの出来ない歯を抜歯するなどの治療を行いながら、仮の入れ歯をそれに合わせて調整していきます。

治療用入れ歯

変形した歯ぐき、狂った咬み合せを治療するための入れ歯であり、いわば「リハビリの道具」です。精密な型取りと顎と全身のバランスを考えた咬み合わせで作成するこの入れ歯はどんなにやせた歯ぐきにもピッタリと合います。この治療用入れ歯を使用し、これまでの様々な問題点を解決していきます。

1床
(上か下のどちらか)
20万円
2床
(上下)
40万円
最終入れ歯

治療用入れ歯で痛みが無く、食事ができるようになったら、治療用入れ歯を使って最終入れ歯の型と咬み合わせを採ります。そのため治療用入れ歯と最終入れ歯は全く同じ形、咬み合せです。最終入れ歯ではさらに違和感や発音性、審美性等のQOL向上にまつわる問題を特殊な金属フレームを使用した加工で解決します。この二つの入れ歯をお持ちいただき、生活していただきます。(※ただし、入れ歯は消耗品です。1~3か月点検で調整や必要に応じて修理を行います。最終入れ歯の修理中は治療用入れ歯を使用することができるため、生活に支障が出ません。)

種類 1床 2床
プラスチック床 15万円 30万円
コバルト床 25万円 50万円
チタン床 30万円 60万円
スーパーチタン床 40万円 80万円
スーパーチタン床+咬合面白金 50万円 100万円